季刊『お屋敷ハンター』
「ちょちょっと待ってくださいよ、おねえさん。オレは年はハタチだけど、幽霊っていったいなんの話してんの?」

「違うの?」


「働いてるっちゃここで働いてるけどさ。ビルのメンテナンス、平たく言っちゃえば清掃員、んでしかも最近入ったバイト君」

にっこり。
怪しかないように笑ってみる。


「わかんないことあるなら、オレよりあのおじさんに訊いた方がいっすよ。生き字引ってハナシだから」

ほいで柔道と空手の有段者だから。
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