【企】ウィニングボールを君に
「ただいまー」

「あ、お母さん!おかえり」

あたしは早速お母さんに子犬のことを話した。

するとお母さんは、あたしとアキが世話をするという条件付きでハクを飼うことを許してくれた。


「それより、アキくんは?」

「ロードワーク」

「そうなの?身体壊さなきゃいいけど。万が一何かあったとしたら、亜希子に怒られちゃうわ」

亜希子さんはアキのお母さんで、私たちが中2のときに仕事で海外に行ってしまった。

行き先はイギリス。

仕事ができる人だったけれど、アキのことになると周りが見えなくなってしまう彼女が、あたしはお母さんと同じくらい大好きだった。
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