lifetime
邂逅
AM06・30 俺の朝は人並みに早い。朝食は毎日必ず取ることにしている。これから始まる勝負は長々夜中までかかるからだ。食べないと身体がもたない。 天気は快晴。愛車の国産ワンボックスカーに乗り込み行きつけのパチンコホールへ向かう。いつもと同じ日常、そう俺はいわゆるパチプロ、とゆうやつだ。 軽く自己紹介しよう。名前桐島義治、34歳B型、178cm65kg容姿端麗・・とはいえないがまあ人並み。プロ生活12年目。博打好き。ろくでなし。以上。 行きつけのホールにはまあ大して客は並んでない。並んでる客は爺さん婆さんばかりのホール。打ち心地の良さが気に入って通って五年にもなる。甘いのだ。 「あらはるちゃん、今日も早いわね!」常連のオバハンが声を掛けてくる。 「おはよう、今日は出るといいね。」この挨拶も日常的に交わされる。俺は会社勤めをしたことがないから解らないが何でも真面目に取り組もうとすると、案外日常的には、一般社会の勤め人と変わらない生活になるのかもしれない。 さて開店だ。長い長い一日が始まる。