水晶の傷跡
 いやいやいや。ちゃんと隠し通せている自信はあるわけで。

 達樹さんは気づいてない、きっと気づいてない。

 だったら達樹さんよりは会う回数の少ない彼女達はきっと気づいていないはず!

「ねぇ、あーちゃんって表情わかりやすいよねー」

 アカネさんに話しかけられて、ようやく自分の顔が熱くなっていることに気づいた。

「な、なにを! 何を言ってるんですか! 私そんな相手なんかいませんよ!」

「またまた、想い人、いるでしょう?」
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