17才



『…――そんなコウタ君が、野球を始めたキッカケは何だったんですか?』


アナウンサーはコウタ君にマイクを向け、白々しく首を傾げた。


『物心ついた頃から、父親に野球を教わり始めたのがキッカケですが…、

ここまで続けられたのはあの時のお兄さんとお姉さんのおかげです』




ドキッ…とした


隣を見ると、カオルも目を見開いてテレビ画面を見ている。



『お兄さんお姉さん?』


『小学生の時、プロになりたいって言った俺の背中を押してくれた人なんです。野球もすごく上手くて。

ここまで野球を続けてこられたのも、あの時のお二人のおかげなんです。

“自信を無くした者に勝利の道は現れない”

あの時の言葉、ちゃんと覚えてますよ』



揺らぐことのない、真っ直ぐな瞳を見せ


それはまるで

あたし達が見ているのをわかっているかのようだった。







< 101 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop