17才
「本当に夢、叶えちゃったよあの子」
「すげぇ…。
だから!言っただろ?きっとなれるって」
カオルは少し興奮したように、テレビの中の彼と目を合わせて言った。
あの時夢を話してくれた子が
今、その夢を掴もうとしている。
コウタ君の笑顔は
変わらずキラキラ光っていた。
「…あたし達も、頑張らなくちゃね」
「あっ、チヒロ!式はっ?」
「あぁっ!!」
わ、忘れてたあっ!
手紙終わっちゃうじゃん。
「カオル、頭ボサボサ!ネクタイ曲がってるからっ」
「ぬぅわっ!早く行かないと手紙、終わっちゃうじゃん」
あたしと同じ事考えてるし…
誰のせいよ誰のっ!
ネクタイをグイッと絞め直してあげて、あたし達は会場へと急いだ。