17才



「え……?」


…って、あたしが聞いてどうするんだ。

男の子の台詞を取ってしまったみたいで少し後悔した。

だけど、男の子が真っ直ぐカオルを見つめる瞳を見て
あたしもカオルの話に耳を傾けることにした。




「今のお前なら絶対にプロにはなれない。
だけど、さっきの一生懸命球追いかけてるお前なら、俺はプロにでも何にでもなれると思った。

いいか?自信を無くした者に勝利の道は現れない。有名な言葉だから覚えとけっ」


「…そんな言葉、聞いたことないけど。誰の言葉?」


「俺の!!さっき俺が考えた!」



……こいつは、本当に。


「だから頑張れ!」


『…うんっ』




最っ高の馬鹿だ。



「よしっ!!もういっちょやりますかっ」





本っ当、


大好きだ。





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