17才
「あっ…ねぇ!」
カオルの後ろを嬉しそうにくっ付いて行く男の子を、あたしは呼び止めた。
『何?お姉ちゃん』
そう振り返った男の子の顔は、さっきの何倍もキラキラしてて
あぁ、この子はきっと大物になる
そう思った。
「あのお兄ちゃん、ふざけてるみたいに見えるけど、言ってることは合ってるよ。
頑張って。挫けそうになった時は、応援してる人がいるってこと、忘れないで」
男の子は一瞬首を傾げたけれど、すぐに笑顔になり
『うんっ!!頑張るっ』
そう言って野球の輪の中に戻っていった。
日はもう落ちかけていた。