17才



「あっ…ねぇ!」


カオルの後ろを嬉しそうにくっ付いて行く男の子を、あたしは呼び止めた。


『何?お姉ちゃん』


そう振り返った男の子の顔は、さっきの何倍もキラキラしてて

あぁ、この子はきっと大物になる

そう思った。



「あのお兄ちゃん、ふざけてるみたいに見えるけど、言ってることは合ってるよ。

頑張って。挫けそうになった時は、応援してる人がいるってこと、忘れないで」



男の子は一瞬首を傾げたけれど、すぐに笑顔になり

『うんっ!!頑張るっ』


そう言って野球の輪の中に戻っていった。








日はもう落ちかけていた。





< 77 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop