17才
その顔が、いつもの憎たらしい顔ではなく
本当に優しい笑顔で。
目の奥が熱くなるのをぐっと堪えた。
「今日、楽しかったよ。ありがとう」
「あ、…う、うん」
上手く、話せない。
カオルの顔を、直視出来ない。
「今日だけじゃない。毎日が楽しかった。
俺、絶対忘れない。お前らと過ごせた時間も、この夏のことも」
ようやく見れたカオルの顔は
嘘を言っているような顔でなくて
もう、それだけで十分だった。