17才
「…っカオル!!」
肩がピクリと反応したのがわかった。
「幸せになってねっ!」
あたしの言葉に反応するように、カオルは左手を上げる。
ミチ、あたしにはこれが精一杯だよ。
だけど、だけど本当に、これを一番にカオルに伝えたかったから。
もう、それだけで…。
くるりと回り、自分の家の方へと歩く。
一歩、また一歩と、カオルと離れていく。
幸せに………。
これは一番の本音。
だけど、だけど願わくば
カオルを幸せにするのがあたしだったらよかったのに………なんて。
「……っ、なーんて…」
なんて、バカ何だろうあたしは。
何泣いてるんだろう、あたしは。
本当に、バカだ。
完全に止まってしまった足を、無理にでも動かそうとしたその時。
「……幸せってさ」