17才
カオルにあんな態度とって傷付けて
自分の気持ちに気付いた時にはもう遅くて
きっともう素直になれない、なっちゃいけないって思ってた。
だけど、そんなあたしをカオルは簡単に許してくれて
こうして抱き締めてくれて
「…ありがとう」
こんな言葉じゃ、ちっぽけすぎて全然足りないけど。
あたしはカオルの背中にそっと手を回した。
「“また”なっ」
「うん、“また”」
大きく手を振る。
大丈夫。
もう泣かない。
さっきまで見えなかった未来がちゃんと見える。
あたしは真っ直ぐ前を向いて一歩、歩き出した。