17才
「ところでアイツは?今日来るって行ってたよな?」
リュウヤは会場をキョロキョロ見渡しながら言った。
“アイツ”が誰なのか、あえて聞かなくてもわかってる。
「あー…、ごめん。仕事が残ってるらしくてさ。2次会には間に合わせるって言ってたんだけど」
「休日に?仕事熱心だな~。まさかアイツが仕事人間になるとは…」
リュウヤは“意外”って顔をしながら言う。
「違う違うっ。いっつもサボってるから、ツケが回ってきてるんだよ」
あたしの言葉に、みんな「あぁ」と頷く。
それなら納得って顔で。
みんな、ものっすごく失礼だと思うんだけど…
別にいいけど。
「でも、もうそろそろ来てもいいんだけどな…。少し外見に行って来るね。まだ両親に手紙とか読んじゃ駄目だよっ」
無理な注文を言いつつ、あたしは会場を出た。