17才



まったく。

いつもちゃんとしろっていってんのに

あんなやつが社会人になって本当に大丈夫なのか、日本の未来。




出入り口の近くでウロウロしていると

式を終えた後なのか、何人かの人が受付近くのソファに座ってテレビを見ていた。



『さぁ!みんなの甲子園のお時間ですっ』


やけにハイテンションのアナウンサーの声がここまで聞こえる。



そういえば、もうそんな時期か。

さすがに最近は野球もしなくなったし、仕事仕事で全然見てなかったもんな。

懐かしいアナウンスに耳を傾ける。



『今日は、今注目を浴びている選手を紹介したいと思います!
萩原コウタ君でーす』


『こんにちはっ』



高校球児らしい、はっきりとした声。


あたしは、この声をしってる

なぜだかふと、そう思った。


もう少し、高かった気がするけれど。



何だか気になり、テレビの見えるところまで移動すると


「………あ」


やっぱりだ。

何となく人懐っこい顔立ち
可愛らしい笑顔


顔はあの頃と、全然変わってない。







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