切な連鎖ーセツナイレンサー
アタシは走って教室をでた。

階段を降りる足音が響く。

靴箱から靴をとって帰ろうとした時、

ガシ

「!」


翔ちゃんはアタシの手を掴んだ。


「ねぇ、怒ってんの?」


「・・・。」


翔ちゃんはアタシの手を
掴んだまま話した。


「俺は、奈乃香の気持ちわかるよ。
奈乃香が俺に対する思いの強さは、
俺が俺の好きな人に対する思いの強さと
変わらないんだと思う。
だからすげー気持ちわかる。
でも俺はそんな簡単に気持ち揺らぐ
程度のもんじゃないんだよ。
奈乃香と同じくらい俺も、」
「じゃぁ奈乃香にそれ言ってあげた?
伝えてあけだの?」


「・・・。」


「ちゃんと言ってあげて、」


アタシは背を翔ちゃんに
背を向けたまま言った。


「・・・わかった。」
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