切な連鎖ーセツナイレンサー

「翔ちゃん、なんかごめん。」


「お前、謝ることじゃないし。」

翔ちゃんはゆっくりアタシの手を離した。


「翔ちゃんは、すんごい好き
なんだね、
その子のことが。
それだけ翔ちゃんが思ってれば、
いつか絶対にその子も、
翔ちゃんに振り向いてくれるよ。」


「うん。・・・だといいんだけどね。」


「じゃぁ、翔ちゃん明日ね。」


「うん。」


「あっ、翔ちゃん。
奈乃香と気まずくなったりしないでね!
明日からまた普通通りでね。」

「了解。じゃぁね。」



誰かわからないけど、
翔ちゃんがその子に対する気持ちは
本当に真剣なものであって、
とても大切にしているという事が、
すごく伝わってきた。





ところが、
そんなアタシと翔ちゃんの姿を、
しっかりと見ていた人がいた。
< 74 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop