切な連鎖ーセツナイレンサー
「翔ちゃん、なんかごめん。」
「お前、謝ることじゃないし。」
翔ちゃんはゆっくりアタシの手を離した。
「翔ちゃんは、すんごい好き
なんだね、
その子のことが。
それだけ翔ちゃんが思ってれば、
いつか絶対にその子も、
翔ちゃんに振り向いてくれるよ。」
「うん。・・・だといいんだけどね。」
「じゃぁ、翔ちゃん明日ね。」
「うん。」
「あっ、翔ちゃん。
奈乃香と気まずくなったりしないでね!
明日からまた普通通りでね。」
「了解。じゃぁね。」
誰かわからないけど、
翔ちゃんがその子に対する気持ちは
本当に真剣なものであって、
とても大切にしているという事が、
すごく伝わってきた。
ところが、
そんなアタシと翔ちゃんの姿を、
しっかりと見ていた人がいた。