切な連鎖ーセツナイレンサー
▽崩壊
やっぱり奈乃香のことが心配で、
アタシは今日の朝、真呼に断って
奈乃香と登校することにした。
「奈乃香、あれから、大丈夫?」
「それがねハル、聞いてよ!」
「な、何?」
奈乃香はやけに元気だった。
アタシは少しほっとした。
「翔ちゃんが昨日電話くれて、
なんかいきなり自分の正直な
気持ち全部話してくれたから
ウチびっくりしちゃって。
翔ちゃんもアタシと同じ位の気持ちで
誰かのこと好きなんだって思ったらさ、
なんか応援したくなっちゃって。」
「そっか〜、よかったねぇ♪」
(翔ちゃん、ちゃんと言ったんだ。)
「でも好きな人誰かは、
さすがに教えてくれなかったけどね〜。」
「うーん。誰なんだろ。」
「なんかね、変なこと言うけど、
なんかアタシ、
翔ちゃんはハルのことが
好きな気がするんだよね。」
「えぇ?何言ってんの?
あるわけないでしょ・・・。」
(でも、奈乃香の勘は怖いほど
当たるから、なんか、完全否定
もできないかもしれない。
で、でも絶対そんなことない。)
「第一アタシ、中澤とつき合ってるし。」
「でも翔ちゃんはさぁ、
そんなことあっても、
なんか関係ないって感じの人だよ。」
「そうかなぁ。」
(ま、ありえない話だから何でもいいや。)