切な連鎖ーセツナイレンサー
両腕をしっかり押さえられて
身動きがとれない。


(力、強すぎ。)


「中澤、腕痛い。」


中澤の大きな瞳が
だんだん近づいてくる。


アタシのブラウスのボタンを
1つ1つ外していく。

(こんなん中澤じゃない、
怖い、怖いよ中澤。)


下着の上からアタシの
胸の膨らみに手を重ねた。


(いやだ、)


アタシは怖くて声がでなかった。


ブラウスが肩からはだけ、
中澤のごつごつした堅い手が
背中にまわった。
ホックを外されそうになった時。


「やだっ、」

ドンッ、


アタシは中澤を押し返した。


「ほらな、話すよりこうした方が
お前が俺に対する気持ちが
すぐに分かるだろ?

塚最初からそんな嫌そうな顔すんなよ。」


そう言って中澤は、
あの時みたいに出て行った。


ブラウスのボタンを1つずつはめて、
乱れた制服を元に戻した。


「・・・。」


アタシはショックで涙もでなかった。

そのまま1人ソファーに座っていた。
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