【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙③〜
「また、こちらにお伺いしても……?」
早口におたずねになるのを、少女は少し笑って、
「かまわないわ。でも、日が暮れてから。殿方はそうするものと、伺っているわ。違って?」
そう返すので、一の君も、ようやくのことお笑いになって、
「いえ、おっしゃる通りですよ。けれども、あなたのように愛らしい姫君をお訪ねするのに、月明かりでは心もとなくて」
そのようにおっしゃるのでした。
早口におたずねになるのを、少女は少し笑って、
「かまわないわ。でも、日が暮れてから。殿方はそうするものと、伺っているわ。違って?」
そう返すので、一の君も、ようやくのことお笑いになって、
「いえ、おっしゃる通りですよ。けれども、あなたのように愛らしい姫君をお訪ねするのに、月明かりでは心もとなくて」
そのようにおっしゃるのでした。