ブラックコーヒー

屋上の風

手を引きながら黒木くんは言った。


「悪趣味だね。」


顔が熱くなった。
手を振り払って、黒木くんに向かって手を振り上げるとあっさりかわされた。


「黒木くんだって。」


黒木くんは笑った。


「俺も叶わぬ恋に苦しむ一人だよ。」


あぁ。
みちるちゃんね。


ホントあの二人は罪作りだ。





目に涙が溜まっていくのがわかる。




「おい、泣かないで欲しいな。俺は自分を慰めるので精一杯だよ?」




おもいきり黒木くんを睨む。



「泣いてなんかない!」



そう言い放って上を向くしか出来ない。
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