ねこの散歩道
「ここ。俺は立ちこぎするから座るとこいらん。」

トモはそう言ってイスの部分をポンポンと叩き、自転車に乗るよう促す。


「いや、悪いよ。先に帰って。わたし歩いて帰るから。」



本当にそう思ったし、今日話したばかりの人と二人乗りってのも…なんか考えられなかった。



けど、


「だーめ。男は女を守らないといけないの。絶対家まで送り。だから遠慮しないで早く乗れって。」


とトモは言う。


ニコニコの笑顔のまま、わたしが乗るのを待つトモ。

仕方ない。
わたしはしぶしぶ後ろに乗った。


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