ねこの散歩道
家に着き、トモは自転車を止めた。


「ありがとう。」



わたしは自転車から降りて、ペコリと頭を少し下げた。



「気にしないで。俺の好きでやってることだし。それに…。」


トモはそれから少し沈黙を置いた。


そして、

「唯に愛を守ってくれって言われてたんさ。」

と言われた。

唯はいつでもわたしを気にかけてくれてた。

きっと心配だったんだろう。目の届かないところにわたしが行くことが。




「唯とアイちゃんは…付き合ってるの?それとも付き合ってたの?」


東京にいたときにも何人かに聞かれた質問。

でもだいたい質問してくる人はわたしに興味はなく、みんなが知りたかったのは『唯が付き合っているのか』だ。



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