ねこの散歩道

「ふ〜ん。そっか。…じゃ、帰るわ。また明日!」


トモは優しい笑顔を向けて帰っていった。

顔の種類は違うものの、笑った顔は少し唯と似ていると思った。

人懐っこそうな、ふんわりした笑顔。



わたしもあんなふうに笑えたらいいのに。





「ただいま。」


家に入ると、

「お帰り〜。」


というおばあちゃんの声が茶の間から聞こえてきた。


今まで両親が共働きだったために「お帰り」と言われるのはなんだかくすぐったい。


少し嬉しい気持ちを抑えながら、わたしは自分の部屋に入った。



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