ねこの散歩道
「彼女なんか…いたっていいことないじゃん?」


トモはそれだけ言って自分の席の方へ行ってしまった。

トモ、なんだか辛そうな顔してたなぁ。


「あ〜。忘れてたわぁ。あいつにこういう話は禁止だった。」


サユは意味ありげに言って、わたしを見た。



トモ、モテるのに女の子に興味ないのか〜。

…そっかぁ。


「気になるろ?」

「…へ?」


サユはニヤニヤしている。


「アイちゃんには特別に少しだけ教えてあげる!トモに誰にも言うなって言われてたけど。」



「あ、うん。」

わたしは思った。
サユはどうしても誰かに話したかったんだな、と。

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