ねこの散歩道


「お疲れ。」


「ははっ。…本当に疲れた。」



チャイムが鳴って、亜希は教室に戻った。

トモはため息をつき、頭をかいている。


「何で付き合ってるん?本当に亜希が好きなんか?」


ずっと思っていた。
嫌なら別れればいいのに。


わたしの問いかけに、

「好きだと思ったんだけどなぁ……。」


と言った。
その直後、先生が入ってきた。
そして、授業が始まる。


亜希は少しぽっちゃりしていてしていたが、優しくて気の利く子だった。

トモもそんなところに好感を持ったんだろう。



だけどトモと付き合いだしてから、変わってきたんだ。

トモが彼氏ということで自信を持ち、少し人を見下すようになった。

トモと釣り合うためにダイエットをしたら、周りの男子なら告白されるようにもなった。

相手の事をよく考える性格だったはずが、自分中心のわがままなお嬢様みたいになった。


人は変わる。
その変化を間近に見れた気がする。

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