奇跡をあなたに
キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン

下校のチャイムが遠くから聞こえた。


下校する生徒より早く帰ろッ

そう思いながら私は立ち上がり帰ろうとした時...

!?!?
そこには望がいた。

「....。」


「....。」

目は合ってるのにお互いが話さない。


私はそのままそこを立ち去ろうとした。


「幸...。」


そう望が私の名前を言ったけど、私は振り返らずそのまま、その場から離れた。



今は何も考えたくなかった。


母が亡くなった事で私の心は精一杯だった...


だからわざと、望の事は考えないようにしていた。


正直、考えたくなかった。


これ以上期待したくなかったから...


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