奇跡をあなたに
「....。」

先生は黙っている。

クスクスッ

周りの生徒も笑っていた。


私の見方なんて誰もいない。


そして私は教室から出た。


先生は私を止めようともしなかった。

下駄箱に行き靴をはいてると――…


「お前なにしてんの?」


そこには、市川望がいた。


「....。」

私は靴を履き終え通り過ぎようとした時。


「また逃げんのか?」

「....。」


なんで、そんな事言われなくちゃいけないの?


そのまま歩き続けた私。


「待てよ!」

市川望は私の手を掴んで離さない。

「...離してよ!」

私は声を出す事なんてあんまりない。

でもしゃべらないと市川望は離してくれない。


「どうして帰るんだよ。」


「...席が...」


「は?」


「席がないの!!!ほっといてよ!」


その時、市川望は私の手をさらに掴み教室に連れていこうした。


「戻るぞ」


私は力ずくで手を振り払った。





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