奇跡をあなたに

先生は望が私の事を好きだと言った。


そんなはずはない。

だって、望は私の事を“親友”だと言った。


親友だから、望は私を助けてくれた。


ただそれだけ...



手当てが終わり、望が部屋に入ってきた。


「幸、今日は帰る日だから皆が遊んでる間は休めよ?」


!?!?

今日は望と自由行動の日だった!


望がずっと計画立ててくれてたんだ。


「私、行きたい!」


「何言ってんだよ!そんな体で行けるわけないだろ?」


「行きたいの!」


「わがままなやつ!(笑)ならいいとこ連れていってやるかぁ~」


望はそう言って私に背中を向けた。


???


「望?何してんの」


「はぁ?おんぶしてやるよ!」


「え!?いいよ!歩けるから!」


「いいから乗れ!」


「....重たいよ?」


「昨日、抱えたから大丈夫!」


「普通、軽いとか言ってくれないの?(笑)」


「いいから、乗れよ!」


「はぃ!」


私は望におんぶをしてもらい、旅館の外に出た。


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