奇跡をあなたに
「体大丈夫か?」
「うん。」
「幸、ちょっとは強くなれよ~」
「だって....。」
「なんだよ!」
「怖いから...」
「俺はずっと幸の側にはいられないんだからな!」
「分かってるよ...」
その時の望の言葉にはちゃんと意味があった。
でも、私は気付く事ができなかったんだ。
「普通やられたらやり返すだろ?」
「それは望は強いからじゃん!」
「強くね―よ!」
「強いじゃん!喧嘩負けたとこ見たことない!!」
「あのな―喧嘩が強いとか、力が強いとかそんなの関係ね―の!気持ちの問題だろ?」
「気持ち?」
「あぁ、言いたい事があれば言えばいんだよ!ムカついたら怒ればいんだよ!気持ち押さえてたら、いつか本当に心が壊れるぞ?悲しい時は泣くだろ?泣く気持ちがあるなら怒る気持ちは出てくるはずだから!強くなれよな~」
「....うん。」
「その言葉信じるからな!」
「....うん。」
そんな話をしてる望がポケットから何かを出した。