奇跡をあなたに
「望?」
「...ごめんな。俺、幸が一番辛い時に側にいてやれなかったんだな。」
「望...」
「ごめんな。」
「望?辛かったのは確かだよ!でもね、母さんが亡くなって気づいた事いっぱいあったの。
母さんは私の事ちゃんと思っててくれてた。
最後に私に愛情沢山くれたの!母さんが亡くなって初めて本当の親子になれた気がしたから...遅かったけど、ちゃんと気づけたからいいの!!」
「幸、幸は本当は強いんだな!」
「そんな事ないよ!」
「人、1人が死ぬってなんなんだろうな。」
「えッ?」
「なんのために生まれて、なんのために死ぬのだろ。」
望は遠くを見るような目で真剣に話てた。
「どうしたの?」
「なんかさ~人間って不公平だよな~」
「なんで?」
「100歳まで生きる人もいるし、生まれてすぐ亡くなる子もいるしよ~なんで同じ命なのに、違うんだろな~不思議じゃね?」
「そ~だね。不思議だね...」
私は望のその真剣な顔つきがとても悲しそうな顔に見えた。
私だけなのかな?