奇跡をあなたに
そんな事を思いながら私の高校3年はスタートした。


相変わらず毎日家まで迎えに来てくれる望。


周りは付き合ってるんじゃないかと、噂をしているくらい。


そんな噂が広まるほど私への嫌がらせは酷くなる一方だった。


文句のないパーフェクトの望に男子にも女子にも憧れの存在。


3年生になれば先輩もいないから、一気に不良の姿になる男子が増える。


でも、その中で目立つのはやっぱり望だった。


だから、望とずっと一緒にいる私は皆に嫌われていた。


「なんで、あいつなわけ?」


「なんか弱みでもつかんでんじゃないの?」


「望くん可哀想。」


「望くんと釣り合ってね~し!」


そんな言葉を毎日あびていたけど、私は望から離れようとは思わなかった。


離れたくなかった。


でも、私と望は友情から先に進む事はなかった。



< 150 / 370 >

この作品をシェア

pagetop