奇跡をあなたに
奈々との出会い
3年になって約一ヶ月。
私と望は相変わらず一緒にいた。
でも最近気づいた事は望はよく薬を飲む。
ご飯を食べた後、時間を見て必ず飲む。
「ねぇ―まだ風邪治らないの?」
「あぁ、今年の風邪はくどいからな(笑)」
「そっかぁ―」
「幸、俺は大丈夫だから!」
「本当に?」
「おぅッ」
望は私に笑いかけた。
望の事はもちろん心配だったけど、元気だったからそこまで気にとめる事はなかった。
私と望は3年になっても河原へ毎日行っていた。
雨の日は私の家。
それが当たり前だった。
「幸―帰るぞ―」
「うん!」
そんな時...
「望先輩!」
ある女の子の後輩が望に話しかけた。
「何?」
「あ、あの...その人彼女ですか?」
「幸か?」
「はい!」
「幸は友達だけど...何?」
「そうなんですか...なら、あの付き合ってもらえませんか?」
その後輩はとても可愛くて、小柄だった。
顔を真っ赤にして、今までの女の子とは違った。
もしかしたらOKするんじゃないかと、私はドキドキした。