奇跡をあなたに
でも、奈々はいじめられてないって...
言ってたよね?
それに、奈々は今どこにいるの?
教室にもいなかった、廊下にも....
私は思わず保健室を飛び出し、校庭の庭、体育館裏、心当たりがある所を探した。
でも...どこにもいない。
携帯。
メールしてみよう。
私は授業中にも関わらず、自分の教室に入った。
「おぃ、お前授業サボってなにしてるんだ!!」
入ってそうそう怒鳴り声。
でも、そんな声に答えてる暇はない。
私は自分の席にある鞄を持ち、教室を出ていこうとした。
「おぃ!幸どうした?」
望が私の腕を掴んだ。
「奈々が....」
「奈々が?」
「ごめん!今話してる余裕ない!」
私は望の手を振り払い、教室を出た。
「おぃッ」
先生のとめる声。
生徒がザワザワする声。
そんなの今の私の耳には入ってこなかった。
望も私のそんな姿を見て、ついてきた。
何も聞かずただついてきてくれた。