奇跡をあなたに


『望!?奈々ここの病院!』


『本当か!?奈々は大丈夫か?』


『それが..分かんないの!教えてくれなくて....』


『今すぐ行くから待ってろ!』


『わかっ...プチッ』


!?!?!


電話が突然切れた。


!?!


充電がない。


私はただ望を待った。


望の行っていた病院からここの病院は遠くて一時間はかかる。

9時を過ぎ、面会時間も終わり、病院の入り口のシャッターがおりていく。


「ちょっと待って下さい!」


「すみませんが、もう面会時間は終わりなので。」


そう言って病院の人が入り口を閉めてしまった。


裏口!?...裏口なら開いてるはず。


そう思った私は裏口に走った。


その時....


「おぃ!お前こんな所でまた何してるんだ!」


「先生!?」


そこにいたのは、今日、望が職員室で押した先生だった。


「こんな所まできて!帰れといっただろ!」


「でも私、奈々の事が気になって...」


「明日、集会を開くからもう家に戻れ!」


「でもッ....!」


先生は私を病院から出し、それ以上は入れようとしてくれなかった。



< 185 / 370 >

この作品をシェア

pagetop