奇跡をあなたに
奈々の最後
夏休みの前の日。
昨日起きた事がまるで嘘だと思いたかった。
朝、望が家まで迎えにきて、一緒にいつものように学校へ向かった。
「幸、おはよう。」
「おはよう...」
私逹は朝から暗かった。
奈々の事を考えれば考えるほど不安になる。
奈々は大丈夫なのかな...
?
その事ばかり考えていた。
「ねぇ、望、昨日授業中に携帯鳴ったじゃん?」
「あぁ―奈々からだったか?」
「うん。これ見て?」
私は昨日きた奈々からのメールを望に見せた。
「.....奈々、幸の事憧れてたんだな。」
望はメールを見てそう言った。
「奈々、1人で抱えてたんだね...」
「そうだな。俺も気付いてやれなかった。」
二人は後悔しながら学校に行った。
学校につけば皆が騒いでいた....
「ねぇ―2年生の子がビルから落ちたらしいよ―」
「なんか誰かに押されたとか!?」
「あの子いじめられてたらしいよ―」
そんな話がいろんな所から飛んできた。