奇跡をあなたに
1人の先生がマイクを持ち、話始めた。
「え―皆も知ってるかもしれないが、昨日この学校の2年B組の渡辺奈々がビルから転落した。」
やっぱり奈々の事だ。
その言葉でもっと周りはざわめきだす。
知らなかった人も、知っていた人も自分の学校に事件が起きた事に興奮している。
奈々の心配より、1人の生徒がビルから転落した事を面白がってるようだった。
「ねぇ―2年の渡辺って子いじめられてなかった?」
「そうそう―可哀想―」
「耐えれなくて自殺したんでしょ?」
「いじめくらいで死ぬなんてありえなくない?」
「弱すぎ―」
「いじめられる方が悪いんじゃない?」
「ビルから落ちるなんて、それ見た人が可哀想だよ―」
「自殺とかすごくね?」
「死んだのかな?」
そんな言葉が体育館をうめつくす。
心配の言葉より、奈々が弱いとか悪いとかそんな言葉ばかりだった。
そんなざわめいている生徒を止める先生もいない...平然と話続ける先生。
つまらない先生。
つまらない生徒。
つまらかい人間。
この学校のいる生徒も先生も...『心』とゆうものがない。