奇跡をあなたに

言わない方がおかしい。


平然としている生徒と生徒がおかしい。


「望!そんな人逹相手にしなくていいよ!」


私は望の腕を掴み体育館を出た。


「ちょっと―何あいついい子ぶってんの!?」


「てか望くんまで連れていくなんて―1人で出ていけよ―」



私は今の怒りを止める事ができなかった。


「うるさい!言いたい事があるからこそこそゆんじゃね―よ!」


その私の言った言葉に生徒はびっくりしていた。


そして望もびっくりしている。


体育館を出て私は力が抜けて座りこんだ。


私は思わず涙がでた....


「望...奈々...死んだなんて...グスッ嘘だよね...グスッ.?」



望は私に優しく頭を撫でてくれた。


「幸?奈々は亡くなったんだ。それは受け止めたくないかもしれね―けど、現実なんだ....。」


望は私をそっと抱き寄せた。


その優しさが何よりも救いだった。


望も辛いはずなのに....。


友達を失う辛さはこんなにも残酷でこんなにも悲しい事。


初めてできた女友達を、こんな形で失うなんて....



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