奇跡をあなたに

私と望はそのまま保健室にいき休んでいた。


ガラガラ

そこには保健室の先生がいた。


「幸さん、市川くんどうしたの?」


「先生は集会でなかったの?」


「そうなの。急に熱がでた子がいて家まで送ってたのよ。」


「先生、奈々の事知ってる?」


「聞いたわ...ビルから転落して亡くなった事は...。」


「私逹、奈々の友達だったの...奈々いじめられてたんだよ?」


「いじめ?」


先生はびっくりしたような顔をしていた。


「そうなんだよ!奈々同じクラスの奴にいじめられてたんだ!」

先生は静かに口を開いた。


「奈々さんね、よく保健室きてたの...頭が痛いって言って...。」


「それは教室にいたくなかったからだよ!!!」


私は思わず大きな声で言った。


「先生...気付いてあげれなかった。」


先生は悲しそうな顔をしていた。


この学校の先生で唯一“心”がある先生。


先生ならなんでも言える、信用できるって思った。



「先生!俺ら奈々の病院に行きたいんだ!でもどうやったら会えるか分かんなくて...。」


望は必死に先生に言った。



< 196 / 370 >

この作品をシェア

pagetop