奇跡をあなたに
私と望はそのまま保健室にいき休んでいた。
ガラガラ
そこには保健室の先生がいた。
「幸さん、市川くんどうしたの?」
「先生は集会でなかったの?」
「そうなの。急に熱がでた子がいて家まで送ってたのよ。」
「先生、奈々の事知ってる?」
「聞いたわ...ビルから転落して亡くなった事は...。」
「私逹、奈々の友達だったの...奈々いじめられてたんだよ?」
「いじめ?」
先生はびっくりしたような顔をしていた。
「そうなんだよ!奈々同じクラスの奴にいじめられてたんだ!」
先生は静かに口を開いた。
「奈々さんね、よく保健室きてたの...頭が痛いって言って...。」
「それは教室にいたくなかったからだよ!!!」
私は思わず大きな声で言った。
「先生...気付いてあげれなかった。」
先生は悲しそうな顔をしていた。
この学校の先生で唯一“心”がある先生。
先生ならなんでも言える、信用できるって思った。
「先生!俺ら奈々の病院に行きたいんだ!でもどうやったら会えるか分かんなくて...。」
望は必死に先生に言った。