奇跡をあなたに
そんな望の顔を見ても1人の女子は諦めなかった。
「私、望くんの事好きなの!付き合って?」
!?!?
周りには普通に生徒がいるのに、その子は堂々と望に告白した。
なんて答えるんだろう...。
望が口を開いた。
「俺、付き合うとか興味ね―から!付き合うなら、ちゃんと好きな奴と付き合いたいし!だから無理だわ!」
望は断った。
これで何回目だろう...望が転校してきて、告白した女子はきっと10人を越えていると思う。
望に告白した女子が言った。
「じゃあ―そこにいる奴とは付き合えるの?」
その女子が指を指したのは...私だった。
!?!?
私?!
望はなんて答えるの?
「幸は...友達なんだよ!付き合うとか付き合わないとかじゃなくて、大切な友達なんだよ!」
その望の言葉。
私は“大切な友達”と言う望に複雑な気持ちになった。
それがなんなのか、その時はまだ気かなかった。