奇跡をあなたに
私は少し冷静になり、もう返事もしない奈々に話かけた。
「ねぇ、奈々?いつまで寝てんの?
あのメールと電話なんなの?“ごめんなさい”ってなんで謝るの?謝らなくちゃいけないのは私だよ?
奈々は私の事強いって言ったよね?私は強くないよ?私には望と奈々がいたから...だから強くなれたんだよ?
奈々がいないんだったらまた弱くなるよ...
どうしてもっと早く言ってくれなかったの?アドレスも教えたのに...最後の言葉だけメールなんてひどいょ。
ねぇ、奈々聞いてる?返事してよ。」
私は奈々の体をゆすった。
起きない奈々に...
返事しない奈々に..
生きてる姿を見してほしくて。
「奈々!起きてよ!また三人で...グスッ...三人で河原行こうよ――――グスッ...明日から.....夏休みなんだよ?楽しみにしてた夏休みなんだよ?海言って...花火して、私の家でパーティーなんだよ?こんな所で寝てていいの?ねぇ―――――奈々―――奈々....目開けてよ....起きてよ...。」
私はそのまま座りこんだ。
ずっと後ろで望は私を支えてくれた。