奇跡をあなたに
望が奈々に向かって一言だけいった。
「奈々、奈々はこれからも俺と幸の大切な友達だからな。」
それだけ言って望は私を奈々がいる部屋から出した。
私は近くの椅子に座り、一生懸命落ち着こうとした。
「幸?泣いていんだよ?辛いだろ...苦しいだろ?
俺が側にいるから...好きなだけ泣いとけ。」
私はその望の言葉で体の力が抜け泣いた。
「―――ッワァー――――奈々が.....奈々いなくなっちゃったよ―――望....どうしよ....。」
望は私を抱きしめて言ってくれた。
「奈々は幸の近くにきっといるから...俺が幸の側にいるように、奈々も幸の側にいるから。いなくなってなんかいねぇから。安心しな...。」
私はその言葉でさらにないた。
「ワァ――――――グスッ――――――グスッ―――」
そんな私を望はずっと抱きしめてくれていた。
大丈夫だからって何回も何回も言ってくれた。
望がいてくれたから私は楽になれた。
望の温もりがあったから、奈々の死を受け入れる事ができた。