奇跡をあなたに
奈々の真実
夏休み。
本当なら私と望と奈々との楽しい夏休みのはずだった...
でも、もう奈々はいない。
奈々の御通夜も葬式を終わった。
奈々との出会いから別れがくるまでがこんなにも早いなんて....
私と望は毎日河原へいた。
奈々がいるような気がしたから。
奈々が私逹と一緒に笑っているような気がしたから。
もしかしたら見えないだけでいるのかもしれない。
「ねぇ、望?」
「ん?」
「奈々、今ここにいるかな?」
「どうだろな―」
「奈々、ちゃんと成仏できたかな?」
「奈々なら大丈夫だろ!」
そんな会話をしながら河原で毎日過ごしていた私と望だったけど、本当は知りたかった。
奈々が死んだ理由を...
意味を...
自殺ならそれなりの事があったはず...
今さら気付いても奈々は戻ってこないけど、どうにかして奈々の気持ちを知りたかった。
今、自分にできる事はそれしかなかった。
でも、今は夏休みだから学校に行っても意味がない。