奇跡をあなたに
「今日は来てくれてありがとう。」
おばあさんはそう言った。
「いぇ、それよりなんで私逹をよんだんですか?」
おばあさんはゆっくり話始めた。
「今日あなた逹をよんだのは、もちろん奈々の事なの。
奈々はあなた逹二人と友達になれて本当に幸せだったと思うわ...でも、あなた逹に何も言わずに逝ったのはきっとあなた逹に心配かけたくなかったんだと思うの。あの子が本当の友達だと思ったのはあなた逹二人なのよ。」
私と望はおばあさんの話をただ聞いていた。
私は言った。
「なんでおばあさんは分かるの?」
「あの子、日記書いてたの。
高校に入ったくらいから書き始めたみたい。
あの子...高校に入った頃から死ぬ事を考えてたみたいなの...。」
おばあさんは奈々の日記を出してくれた。
何冊もあるそのノ―トにはびっしりと字がつまっている。
これを見れば奈々が伝えたかった事が分かるかもと思い私はおばあさんから日記を借りた。
その場で見ようとも思ったけど、きっと私は泣いてしまうから...おばあさんの前では泣いたら駄目だと思った。
本当はおばあさんも泣きたいのだから。