奇跡をあなたに


望は私が持っていた奈々の日記を見て言った。



「奈々の日記見てたのか?」


「うん。ごめん!1人で見て...。」


「いいよ。」


そう言って望は私の隣に座った。


「奈々ね、やっぱりいじめられてたみたい。ずっと前からここに来てたみたいなの...。」



「そっか...もう全部読んだか?」


「まだ...まだ一年の頃の時だけ。」


「なら俺にも見してくれね?」


「うん。」


私と望は一緒に奈々の日記を読み始めた。



2003年4月5日。



今日、帰っていたら、望先輩と幸先輩がいた。
二人は有名みたい。望先輩はかっこよくて毎日一緒にいるのが幸先輩だから。
羨ましいな~仲良くて...




4月10日。



今日幸先輩がいじめられている事を知った。
なのに幸先輩は私みたいに暗くない。望先輩といる時はいつも楽しそう。
私もあんな友達ほしいな~




4月20日。



今日もいじめられた。何も言い返せないし何もやり返せない。消えたい。
幸先輩と望先輩みたいな友達がほしい。



二年生になってから少しずつ私と望の事が書かれていた。



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