奇跡をあなたに


人に優しくされた事がなかった私だから、望のその優しさに私は頼り過ぎていた。

見た目が不良で怖く見える望に反論する人なんていなかった。

むしろ機嫌をとろうとする人が多かったくらい。

でも、望はそんな人を相手にもしなくて、私だけを友達として見てくれた。


望は、先輩に目をつけられても平気だった。

喧嘩も強く、背も高い。
だから、先輩も怖がって近寄らなかった。

勿論、望を気に入らない人もいた。
喧嘩をうる人もいたけど、あっけなく負ける。


そんな望を見た女子は、学年関わらず、望に釘付けになる。

そんな望の友達の私は、いつも思う。

私なんかが友達でいいのかなと。

こんな弱くて、だらしない私なのに...

今思うと、正反対の私逹が出会ったのは運命だったのかな?

本当は正反対じゃなく、似た者同士だったんだよね。

きっと...

違ったのは、望は強くて私は弱かった事。



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