奇跡をあなたに
その日記には、奈々の気持ちが痛いほど書かれていた。
気付いた事は、日記の字が滲んでいた。
きっと奈々は日記を書きながら泣いたんだろう。
辛くて、苦しくて...
この日記にだけ辛い涙を流していた。
私は泣いた。
奈々の日記の上で...
「ねぇ、望..グスッ...私、あの日...グスッなんで気付いてあげれなかったのかな...グスッ...?奈々の命、私がなくしたみたいなもんだよ....グスッ。」
「それは違う!!幸がそうなら俺だって...俺だって同じだ!奈々は弱い自分を見せたくなかったんだよ。
でも奈々は弱かったんじゃね―よ!
自分を追いつめすぎたんだ...幸は、奈々の事精一杯想ってたよ。メールも電話もして、探して...幸はよくやったと思う!」
「でも...奈々は....グスッ..私に相談してくれなかった...グスッ...それは私が頼りないからじゃないの...グスッ? 」
「この日記に書いてあるだろ?心配かけたくなかったんだよ!」
「でも...奈々は...グスッ」
「幸のせいじゃね―よ!いじめた奴が悪いんだ!」
望は私を優しく抱きしめてくれた。
私はただ泣いた。
もう...泣く事しかできない自分がなにより悔しかった。