奇跡をあなたに
私は望のおかげで落ち着きを取り戻した。
「幸、ばあちゃんの家に帰ろうか...。」
「うん。」
私と望はそのまま階段を下りおばあちゃんの家に帰った。
ガラガラ
「「お邪魔します。」」
「おかえり。上がってちょうだい。」
「いえ..今日はもう帰りますね...。」
私はおばあさんにそう言った。
「そう...また来てね。
今日はありがとうね。」
「あの...これ読みました。ありがとうございます。」
私はおばあさんに奈々の日記を返した。
「....これは、あなたが持っててくれない?」
「えッ?」
「私はもう年だから..あたなに持っててもらった方があの子も嬉しいと思うから。」
「.....。」
私はなんて答えばいいか分からなくて、後ろにいた望の顔を見た。
望は私を見て、ただ頷いてくれた。
だから私も望に頷き、奈々の日記を預かった。