奇跡をあなたに


「今さら、何言っても奈々は戻ってこね―でもな、奈々は精一杯生きてた。辛くてもめ苦しくても...あんたらのいじめ耐えながらな...幸はな、あんたらがいじめた真実が知りたいんだ。俺もな!
死んだら終わりじゃねんだからよ。」



そう望は言ってくれた。


それを聞いた女子が口を開いた。


「....ムカついたの!望先輩とあんたと一緒にいる奈々が。
なんであんな奴があんたの近くにいるのか..望先輩に近づこうとしたのかと思ってた。でも違った、奈々はあんたを友達だと思ってた...それがまたムカついて、あんたが昔うけてたいじめと同じようにいじめたの。あんたに手出すって言ったら...やめてって、自分が身代わりになるからって...」


私はそれを聞いて唖然とした。


私のせいで奈々はいじめられたの?


そのまま女子は話を進めた。


周りも沈黙していた。


「あんたと同じように無視して、毎日机の前で手合わせたの...そしたら、何も言わなくなったの。話かけてもしゃべらなくなった。だから更にいじめたの。タバコも押し付けたし、ロッカーに“死ね”って書いた紙入れたし、何回も何回も“死ねばいいのに”って言ったの...そしたら学校こなくなって...」


その女子は声を震わしながらそこまで言って黙りこんだ。



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