奇跡をあなたに



その日。


学校が終わっても望は私に話かけなかった。


放課後。


望...一緒に帰ってくれるのかな?


ガタッ


望が席を立った。


!?


えッ


望は鞄を持ち教室を出ていった。


はぁ?


私は望の後を追った。


「望!!待ってよ!」

「なに?」


「なんで?なんで避けるの?」


「別に!」


望は下を向いて私を見ようとはしない。

「私が嫌いになった?」


「.....ッ」


望は何か言おうしたけど言わずに、私をおいて歩き出した。

「待ってよ!」


私はそれでも諦めなかった。


だって、私には望しかいないから。


なんで?


なんでこうなったの?


望は私の顔を見て、切なそうな顔をした。


「望?」


「なに?」


「話したい事あるから...河原に行こ?」

「あぁ...。」



私は望を河原に連れてきた。


昨日まで、自然にここに来てたのに...


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