奇跡をあなたに
「なんでたよ...。」
「えッ?」
望はスカートに入れていた手を出し、ボタンを閉め始めた。
「なんで...なんで抵抗しないんだよ...」
「だって...」
“望が好きだから...”って言おうとしたけど...言わなかった。
「抵抗しろよ...」
「望?」
「幸、俺は..幸を犯そうとしたんだぞ?」
「望なら...」
「ごめんな...ごめん。」
望はそう言って私を抱き締めてくれた。
「望...」
「幸?」
「何?」
「俺、幸といたらまた同じ事してしまうから...もう一緒にはいられない。」
ドクッ
私の鼓動が一気に早くなる。
「やだよ...離れたくない。」
「ごめん。」
「やだ!!」
「俺らは友達だから...幸に何かあったら俺が助ける!でも、前みたいに一緒にはいられない。」
「なんで?なんでそうなるの?」
「俺は...幸を傷つけるから...じゃあな」
そう言って望は私をおいて帰った。
私はただ呆然とした。
泣きながら...
望...いやだよ。