奇跡をあなたに


その日の望は、学校が終わるとすぐ帰ってしまった。



私は1人で河原に行った。



望と会う前までは1人で河原にいる事がとても落ち着いた気持ちになれた。


でも、今は1人の河原がとても辛い。


望が一緒にいないとただの河原。


どこにでもあるような...


全然、特別なんかじゃなくなった。



私の居場所はなくなった...


ここじゃない。


もっと違う所にあるのかな?


どうやったら見つかる?


いつ見つかるのかな...?


1人はこんなに辛いんだね...


望は辛くない?


1人になって...


もしかしたら...私がいない方がよかったのかな。


だから...望は冷たいの?


私と離れたいから?

なら...そうはっきり言ってよ...


“嫌い”だって。


今までのはただの“同情”だって...。


そしたら私は、望の前から消えるから。

望がいなくなるなら...生きてる意味ないよ?



ねぇ...望。


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